時事

ありがとう、さようなら、藤田まことさん

2010.2.19

昨日、藤田まこと氏が亡くなった。

27年前、私は大学浪人をした。
予備校にも通わず、自宅で一人受験と格闘していた。
当時、自宅でこもりっきりに近い状態であった私を巡って、両親は毎日
のように喧嘩をしていた。
そんな中、私の心の支えになっていたTV番組があった。
藤田まこと氏主演「さらば浪人」であった。

剣の達人であるが、無類のお人好しの浪人が、旅道中で大活躍し、お殿様に仕官を推挙されるも、いつもいつもすんでの所で人に功績を譲って、仕官を辞退すると言う話である。
多感な時期にあった私は、毎日このドラマに感動し、心を熱くしたものだった。
この主人公はいつも謝れるところはどこまでも謝る。どうにも収まらない悪人に対してだけ武術を使う。
その武術は、決して剣を抜かず、手刀だけで相手を気絶させるというすご技であった。

この技に感激した私は、大学で合気道を学び、以後42歳まで練習を続けることになった。
合気道は私の青春を支えてくれた。
私にとって、合気道は藤田まことさんからの贈り物であったと思う。

ひょうひょうと達人然としたその風貌はいつまでも忘れない。
ありがとう、藤田まことさん。
そして、さようなら、藤田まことさん。

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