不動産鑑定, 共有物分割, 収益物件, 相続, 相続・遺産分割

共有持分の分割 不動産鑑定


「土田さん、お久しぶり!」




お元気な声で朝電話がありました。神戸にほど近い市にある老舗メーカーの社長さんからです。




「ちょっと今後のことも見据えてご相談があるんですが」




「実は・・・・」




内容は次のようなものでした。




もう20年以上も前になりますが、父親、母親と続く相続がありました。相続財産として数件の不動産がありました。いづれも著名な幹線沿いにあるまとまった規模の収益物件です。相続に際してはひとまず兄弟間で共有分割としました。当分の間はそれでよかったのですが、自分たち兄弟も高齢となり、後のことを考えると、兄弟が元気な今のうちに各々の物件を単独名義にして分割しておきたいとのことでした。




そんなこと、わざわざ、専門家に頼まなくても、兄弟で、各物件を持分に応じて適当に割当てればいいじゃないかとお思いの方もいらっしゃるかと思います。確かに、例えば概ね同じような価値の土地2つを1/2づつの持分で共有にしている、というような場合なら単純に各土地をそれぞれの単独名義にして持てばよいだけの話です。




しかし、この社長さんの場合は、複数の収益物件をお持ちで、それぞれの物件価値がまず不明です。そのうえ、各土地と各建物の持分を色々にしていたのです。例えばA不動産の土地は40対60の持分、建物の持分は35対75という風です。こうなってくると、ご兄弟が話し合いによって収益物件を単独名義にするとしても、専門家の助力が必要になってきます。




依頼を受け、早速私たちは、社長の共有物件を調査させていただきましたが、どれも、数億円規模の店舗、とファミリー向け賃貸共同住宅でした。私たちはご兄弟に対して、中立公正な不動産価値の専門家としての立場から各物件の価格を鑑定しました。その際、土地と建物の価格を別々に示しました。それと共に各人の持分価格の合計額もお示ししました。これによって、各物件を、ご兄弟で物件を選んで単独名義にしていただき、必要なら清算金の授受の計算をしてもらうことが可能です。




社長の会社に鑑定のご説明に上がりました。「どうですか?思っていた通りの価格になりましたか?お二人に出来るだけ集めて頂いた資料に基づき、公正な立場に立って、精一杯評価いたしました。」とお伝えしました。私の話を真剣に聞いておられたお二人がうんうんと頷いておられたので、心中様々な思いはあるかもしれませんが、共同経営を何十年にもわたって行ってこられたお二人が、力を合わせて、きっとこの難局も乗り切っていかれることと確信いたしました。




身内間で財産を巡って諍いが生じることはなんとしても回避したい事項です。お互いの円満な協議が可能な今、共有不動産の分割を後生のためにご決断なさってはいかがでしょうか。私たちも誠心誠意お手伝いさせて頂きます。







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