あいき不動産鑑定・コンサルティング事業部, 不動産鑑定, 公示価格・基準価格

2021年・令和3年 公示地価速報


(全国の概況) 令和2年1月以降の1年間の地価変動率は、全用途全国平均 で前年比△0.5%(昨年+1.4%)と、6年ぶりで下落に転じた。緊急 事態宣言による経済停滞から令和2年前半の下落が大きく、後 半は横這い若しくは上昇したものの、年間を見ると下落幅が上 回る結果となった。用途別では、住宅地が△0.4%(0.8%)と5年ぶ りに下落した。一部で郊外移転等の需要増加が見られるも、全 般的には雇用賃金状況の悪化等による住宅需要減が影響した。 商業地は△0.8%(3.1%)と9年ぶりに下落した。主要都市でのオ フィス需要の停滞、店舗・ホテル需要の急減等による。工業地は 0.8%(1.8%)と巣ごもり需要に海外からの不動産投資需要も加わり上昇が続 いている。三大都市圏は住宅地・商業地とも下落に転じた。地 方圏も再び下落に転じた。そのような中、札幌・仙台・広島・福 岡の地方4市は、上昇幅が縮小したものの、住宅地・商業地共 に上昇が継続した。特に福岡市については博多区・中央区の 商業地に上昇率10%以上の地点が多数あり、これらが全国の商 業地上昇率上位十傑のうち8地点を占めた。天神地区・博多地 区を中心に開発需要、オフィス需要が喚起されている。商業地 の全国最高価格地点は東京銀座4丁目・山野楽器銀座本店で、 5360万円/㎡であった。一方、近年地価が高騰していた大阪ミ ナミ商業地区が、道頓堀△28%(昨年+23.8%)、宗右衛門町 △26.5%(+44.9%)等、一転、全国の商業地下落率ワースト十傑に 8地点が入った。コロナ禍で国内外観光客が激減し、物販・飲食 店舗の撤退が増加、後継テナントも決まらない状況下にある。 大坂キタ地区(グランフロント大坂)は、オフィス需要が残り、価格 2290万円/㎡で4年ぶり大坂首位に返り咲いた。全国上昇率トッ プは本年度も、住宅地25%・商業地21%とも北海道倶知安町が独 占した。ニセコスキーリゾート別荘地需要、リゾート関連宅地需 要、北海道新幹線建設工事需要等がコロナ禍の収束後を見据 えて継続している。




(兵庫県の概況) 兵庫県内では、住宅地が平均△0.6%(昨年△0.1%)と13年連続 の下落で下落幅は拡大、商業地は△0.8%(2.8%)と6年ぶりに下 落した。工業地は1.3%(1.7%)と上昇が続いた。住宅地について、 最高価格地点は、JR芦屋駅北の「芦屋市船戸町」。61万円/㎡ で2年連続でトップとなった。一方、地方圏の「美方郡香美町」が △7.2%、「赤穂市御崎」△6.9%と下落幅が大きく、各下落率全国 ワースト8位、10位に入った。西・北播磨、但馬、丹波、淡路地域 は、ここ20年以上に亘って下落が続いており県内2極化の様相 は解消されていない。商業地については、三宮地区がコロナ禍 により店舗・ホテル需要が減退し、価格は「中央区三宮町1丁 目」が720万円/㎡で10年連続トップであるが、前年比△9.7%と 大きく下落した。阪神地域の商業地域はマンション需要の堅調 でプラスを維持したようである。




住宅地 (去年) (%) 商業地 (去年) (%) 神戸市△0.3(+0.5) △1.8(+6.0) 尼崎市△0.2(+0.1) 0.2(+2.7) 西宮市△0.2(+0.9) 0.3(+4.1) 芦屋市0.6(+2.2) 2.4(+7.6) 明石市0.1(+0.6) △0.4(+1.8) 加古川市△0.2(△0.3) 0.0(+1.6) 姫路市△0.9(△0.7) △0.2(+1.6)

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