不動産鑑定士タケさんの事件簿, 店舗, 裁判、調停, 賃料・地代・家賃

賃料鑑定の憂うべき実態

最近何千㎡もの大型店舗の賃料鑑定のご相談が訴訟目的で続けてあり、それに付随して、相手方、そして裁判所の指定鑑定人の鑑定書を精査する機会があり、大変残念に思っていることがあります。


それは、新規賃料の試算において本来、積算賃料、比準賃料、収益賃料と3試算賃料を求めてそれらを関連づけて適正賃料を求めるべきところ、収益賃料はともかく比準賃料さえ求めていない鑑定書が結構あるという事実がわかってきたからです。そして、比準賃料を求めていない理由が、「類似の事例が存在しないから」という様に述べられています。しかし、殆どの場合、「アットホーム」や「レインズ」といった情報サイトを入念に調査すると、何とか類似性の範囲に収まる事例が複数見つかっています。「アットホーム」や「レインズ」といった情報サイトは、不動産業者が汎用するサイトであり、不動産鑑定士は通常はアクセスできません。有料で「アットホーム」を使用する不動産鑑定業者も一部はいますが、「レインズ」の方は不動産業者のみが利用できる情報サイトです。

 


 

大型の店舗・事務所といった事業用物件や旅館、パチンコ店等といった特殊な物件の賃貸事例を不動産鑑定士のアクセスできる情報サイトからは入手できないのです。従って、懇意にする不動産業者がいる場合には、彼らに相当な骨折りをしてもらってそれら希少物件の賃貸事例を入手することができますが、それだけの労力を払ってもらえる不動産業者の知人がいない場合、事例入手困難となります。


 

私は不動産鑑定業界の以上の様な状況が痛い位にわかっているので、「アットホーム」や「レインズ」をしらみ潰しに調べると類似性の範囲に収まる賃貸事例を探し出せる場合に、「類似の事例が存在しないため賃貸事例比較法は適用しない」としている鑑定書を見ると腹が立って仕方がありません。そんな鑑定書は積算賃料一本で新規賃料を求めており、市場性の検討が入っていないためピントはずれで恣意的な新規賃料となっているようです。

当事者の賃貸借関係が継続しており、改定賃料を求める場合にも、事情変更の分析など無しに上記のように比準賃料を使わずに積算賃料一本で求めた新規賃料と現行賃料との差額について折半したものを現行賃料に加減して求めた差額配分賃料を重視して継続賃料とするため、当事者はたまったものではありません。

私は特殊な事業用案件の賃料等の場合、賃貸事例を収集する意志のない不動産鑑定士は賃料評価を行うべきではないと思います。鑑定を依頼されるみなさんもこの点は充分見極めた上で賃料評価を頼むようにして下さい。不動産鑑定士によって鑑定能力は様々ですから。

 

*写真はすべてイメージ画像です。

 

あいきの賃料鑑定

 
あいきの不動産鑑定 ご利用者様の声

 

弁護士 匿名希望様

不動産鑑定は専門性が高く、弁護士の立場でも、どの鑑定士さんが言っておられることが正しいのか分からなくなることがあります。この点、土田先生は思考過程を正確に説明していただけますし、判断の背景には客観資料の裏付けがあり、明確な根拠に基づいていることが分かり非常に安心できました。困難で、骨のある案件ほど、ご依頼したくなる先生だと思います。引き続きよろしくお願い致します。
~ 当社より ~
ありがとうございます。
鑑定についても徹底して理解し、依頼者のために、更に法的根拠を加えて主張される。先生のやり方に鑑定士と弁護士の協力の理想的な姿があると思います。今後ともご指導よろしくお願い致します。
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