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後継者なし 医院売却の不動産鑑定

2012年06月11日 先日、税理士さんから、「顧問先の医院が閉院を考えているのですが、今の適正な価格を鑑定してくれますか?」 との問い合わせがありました。 これはたぶん難しい案件だろうと思いながら、早速そのお医者さんに連絡して現場調査に伺いました。

住宅街にある医院です。 一見して「うーん、これは店舗としては、かなり業態が限られるなあ」と思いました。建物の開放性が低かったのです。 A先生が中を案内してくれました。 温厚で実直な感じの先生です。 お子様がいらっしゃるようですが医師を志す子がいないとのことです。 世の中お医者さんになりたい人が増えているのに実にもったいない話です。 やむを得ず将来的に不動産の売却を考えているが、対象不動産はいったい幾ら位の価値があるのか見て欲しいとのことです。

このような場合、お医者さんが、対象不動産を医院として買い取る場合と、お医者さん以外の方が店舗等他の用途に使う目的で買取る場合が考えられます。 医院として買取る場合には病院として知名度がすでに出来ているため後者の価格より大分高くなることが多いです。

「どなたか知り合いのお医者さんが買いたいというお話でもありますか?」

「いやそれはないです。」

「それではどのような利用を考えた人が買いに来るかわからないので、値付けは難しいですよ。」

「そうですね。」 ご本人達もお解りのようです。 それでも対象不動産の適正な価値を教えてくださいとのことです。 やはり難しい案件です。

そこでまず、①「お医者さんが病院利用目的で対象不動産を買い取ると想定した場合の適正価格」を考えました。 この場合一番大事なのは、対象不動産で医業を行った場合の収益より求める収益価格です。 売上高、利益等についてお話を伺い、売上げに占める医療界の賃料負担可能率を乗じて適正賃料を求めました。 この適正賃料を還元利回りで還元して収益価格を求めました。 この際問題となったのは、A先生の売上げが標準的な医師のそれより遙かに多いということがわかったことです。 A先生は若くして勤務医を辞め当地で開業し、今日まで家族のため馬車馬のように働き続けました。 適正価格を出すためには標準的な売上げ等に修正を行って、収益価格を求めなければなりませんので売上げ等を約半分に修正しました。

次に②「店舗等として買い取るとした場合の適正価格」を考えました。 こちらの価格については土地価格と建物の減価償却価格とを合算して求める積算価格が大事になります。

今回は①医院としての価格と②店舗等としての価格に大きな開きが出ています。 この場合どうするか?

お医者さんが対象不動産を買いに来る可能性を50%、その他の人が対象不動産を買いに来る可能性を50%と予測しました。①の価格と②の価格とをその発生確率によって加重平均して、対象不動産の適正価値と判断することにしました。

若干の不安を抱えて説明致しましたところ、税理士さん、A先生も一応納得してくださってほっとしました。

折角築き上げた事業、誰か上手に承継してくれたら良いなあと心から思いました。

あいきの病院不動産鑑定

 

 

あいきの不動産鑑定 ご利用者様の声

銀行支店長 匿名希望様

初めてお会いした時から親しみやすく、頼りにさせて頂いています。
なかなか鑑定評価をする機会がありませんでしたが、先生にご無理を申しあげ、私も勉強になりました。又不動産の情報もあれば教えて頂ければ幸いです。
となりの「人間国宝」おめでとうございます。
~ 当社より ~
ありがとうございます。
地方の大病院の鑑定でしたので、ご依頼の発端となる後継者問題等に思いを馳せながら評価作業を行いました。
 

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