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トップページ > 立退料の鑑定

建物取り壊しの合理性と 立退料の不動産鑑定


ある法人さんからお電話がありました。地元で堅実に成長する福祉系の法人さんです。
「先生、立退料なんて鑑定できますか?」私「—できると思います。多くはないですが、時々やりますよ。」

「不動産に関して出せない価格は無い」と普段豪語する私がちょっと弱気な返事をしたのは、立退料は、多分に法的判断要素が多く、鑑定士の得意領域である経済的領域ばかりでは価格が出しにくいからなのです。
立退料は借家権の買受け価格とも言い換えることができますが、借家権は通常売買の対象になって市場には出ていませんので、適正な市場価格を見出しにくく、どのようにして価値を判断していくかというと、当事者の契約関係の経緯や正当理由の利益衡量といった法的判断が重要となるのです。
しかし、弁護士さんや裁判所から立退料の鑑定依頼がないわけではないし、現実に立退料がやり取りされている以上、立退料算定の参考指標もあるものです。
今回の案件は家主さんからの依頼で、「築40年以上の店舗付アパートで、大方の借主は既に立ち退いており、残り二人が高額の立退料を要求してきており、適正額を鑑定して欲しい」という内容でした。
借主は月数万円の家賃で各10年、15年程度居住していますが、立退料として各500万円と1500万円要求してきているとのことでした。私も「さすがにこれは高すぎる」と思いました。

さて、鑑定の方法としては、「相続税法による貸家権価格の考え方」と、公共工事による立退きで使われる「損失補償の考え方」の2つを参考にして、行うことにしました。
前者は土地と建物の価格に所定の借家権割合を乗じてそれらを加算して求めるという方法です。
後者は借家人が同程度の借家に引っ越すに際して必要となる費用を補償するというもので、敷金・敷引、同程度の新借家と現借家の賃料差の数年分、仲介料、引越料等相当額となります。

「これだけだったら、あまり普通の鑑定士がやることと変わりばえしないなあ」と思い、借家人サイドについている司法書士さんが「対象建物の取壊しは不当であり、まだまだ居住可能だ」と主張されているようなので、ついでにその点についても検証を加えてみることにしました。

①対象建物を取り壊して更地とした時の価格から建物の取壊し費用を引いた「更地化して売却する価格」と、
②対象建物にできるだけ借主を入居させて使い続ける状態を前提とした「収益物件として売却する価格」を出して両価格の比較を行いました。
そうすると、①>②の結果が得られたので、「対象建物を取壊して更地化」する方が「現状建物を使い続ける」より経済合理的であるとの結果が出ました。
「後は弁護士さんにお委せするしかないか」と思い、以上の様な鑑定書を依頼者にお渡ししに行きました。「立退料の金額」とともに「建物取壊しは妥当のようです」、とお伝えすると代表者は大変喜んでくれました。


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