不動産鑑定, 不動産鑑定士タケさんの事件簿, 広大地評価, 特殊不動産, 相続・遺産分割

遺産分割  開発許可がとれない広大地の鑑定


 

先日遺産分割を行うということで、会計士さんから鑑定の依頼がありました。
ご本人に連絡をとりますと、遠方に住んでおられ、他の相続人の殆どの方も遠方におられるようでした。このため、遺産分割の協議に皆が集まれる日も限られており、次の協議の日までに対象不動産の時価を知りたいとのことでした。

相続に精通されている会計士さんが関与しているので、相続税申告のための評価は広大地規定を使って評価されるだろうと思いつつ、依頼者の方と今回本当に鑑定が必要かどうか打合せで聞いていきました。鑑定報酬は安くないので、私は他の方法で逃げられる場合は極力その方法を勧め、避けることができない場合にだけ鑑定を行うようにしています。
今回は相続人の中で、代償分割と換価分割との意見が分かれており、代償分割のための時価把握が必要であり、話合いがまとまらず後日、調停・裁判の可能性もあるとのことでした。

念のため、「本鑑定ですと費用もかかります。相続人の皆様が納得すれば、簡易な評価とすることもできますよ。」と伝えましたが、「それは無理そうです。」とのご返事でしたので、本鑑定を行うことになりました。

対象地は最寄り駅から徒歩圏にあって、名門公立高校への進学率が高い中学校区で、人気が高い住宅地域にある広大地でした。周りは殆どが戸建住宅地で、「相続評価上は広大地規定が使えるかなぁ」と思いました。

対象地の状況は、広大な土地の中を被相続人の方が「木造専用住宅」と「鉄筋コンクリート専用住宅」それと「自家菜園」という三つの区画で長年使っておられたようでした。
普通に考えると周辺の戸建住宅の様な小規模画地に区画割りして分譲するのが最有効の土地で、「時価は一億円以上するかなぁ」と思いました。一通り調査を終えて、前面道路の幅員が4mを切っており、一番近い幹線道路まで幅約3~3.5mの公道が連なっているのが気になりました。

市役所で確認しますと、やはり私の気がかりは的中し、平成25年に都市計画施行令に規定された「開発許可要件である幹線道路まで4m以上の道路で連続していなければならない」という条件を充足できておらず、対象地は「開発許可をとれない土地」だったのです。

開発許可がとれないということは、戸建分譲なんてできません。区画形質の変更ができない、つまり現在の建物敷地の利用形態(区画)に変更を加えることができない土地であり、仮に区画に変更を加えなくても、切土、盛土を行うこと(形質の変更)ができないのです。

このような広大地の場合、自由な利用ができず非効率的な利用に留まり、利用面の個別性が高まります。土地の購入者も少なくなり、価値判断についても個別性が高まります。
県下一円から同じような土地の取引事例を探し、個別性に傾向値を見出せないか探りましたが、事例が少なくそれはできませんでした。

結局、今回の広大地の鑑定評価では、熟慮した結果、近隣の通常規模の戸建住宅地より4割以上価格が下がってしまいました。
「残念がるだろうなぁ」と思いながら依頼者にも結果を報告しますと、
「ややこしい土地とは聞いていましたが、これほど下がるとは・・・・」というご返事でした。

正直なところ、実際に売りに出すと、なかなか買手がつかない恐れもあるし、売買価格は鑑定額と開差がでるかもしれません。簡単そうに見えて、価格判断の難しい土地です。

このような「開発不適合の土地」については、正確には相続税申告のために開発前提の「広大地規定」は使えない場合もあるので、そのような場合、鑑定を使って時価を出すことが評価を安くする突破口となることもあると思います。

それにしても鑑定三昧の忙しい日々が続きます。
妻からは「ありがたい」と思うようにと言われています。
「ありがたい、ありがたい・・・・」

 

あいきの相続業務

 

 

あいきの不動産鑑定 ご利用者様の声

 

神戸 匿名希望様

祖父が、他界し、あちこちに点在する土地のある我が家の相続。
税理士さんから「良い不動産鑑定士さんがいる」とご紹介をうけ『あいき不動産鑑定』さんにご依頼しました。暑い中、山林や竹藪など徒歩でくわしく見て下さり、税務申告の際に提出する鑑定書を書いて下さいました。
結果的には、税理士さんの計算されていた相続税よりもなんと!!2000万円も税額がお安くなり、土田先生の鑑定の力に驚きました。土田先生は税理士さんとの連携もバッチリで何も分からない私達のフォローをしっかりして下さり、本当に心強かったです。
しかも!2000万円も相続税が浮いたのでさぞや、報酬も高いことだろうと覚悟していましたが、正規の鑑定料金しかとられずに本当に助かりました!!ありがとうございました。
~ 当社より ~
ありがとうございます。たくさんの不動産をお持ちでうらやましい限りです。
今回は全不動産について、あらかじめ税理士さんが算定された路線価評価を鑑定レベルで更に下げられないか、路線価評価で見落としている要因が無いか再検討しました。還付請求は色々な問題をはらんでいますので、このように一度の相続評価で全不動産の路線価評価をチェックさせて頂く事が、最善の方法だと思います。
最終的に税額が相当額下がって良かったです。当社は還付請求でも成功報酬は頂きません。不動産鑑定士の仕事は適正価格を示すことですから(ヤセがまん?!)。今後ともよろしくお願い致します。
他にもたくさんのお声を頂いています こちら 


 

 

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