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市街化調整区域内 大規模雑種地 鑑定


 

「土田さーん。税理士のAです。」
低くてちょっとドスのきいた声でA先生からお電話がありました。
「相続で土地の評価してるんやけど、また先生に見てほしい土地があるねん。ややこしくてようわからん。力貸して。」
A先生は私の尊敬する税理士さんの一人です。40年以上奥さんと事務所を運営されており、迫力のあるお話ぶりで、税理士と税理士志望の男性職員をたくさん抱えていらっしゃいます。

早速先生の事務所に伺いました。地図を見ながら、A先生と番頭さん達と打合わせをしました。
番頭さん達もベテラン揃いでしっかり評価案を出されておられました。
対象地は市街化調整区域内のいわゆる倍率評価地域にある資材置場です。
相続税申告のための評価ですので、固定資産税評価額に倍率を乗じて調整を行った評価額で一応OKではあります。

今回のA先生からの御相談は、「時価としてこの評価額がおかしくないか見て欲しい」ということと、「鑑定を使って更に評価が安くならないか」というものでした。
市街化調整区域内の雑種地ですので、ともかく現場を見ないで突っ込んだ話をしても仕方がないと思い、いつものように私は現場に行ってみることにしました。

市内の北部を走る地下鉄の駅から徒歩10分以内の比較的便利な場所でした。すぐ近くまで市街化されている市街化調整区域でした。
「対象地は?・・・・」
「これは・・・・」
現場につくと、急峻な地勢に、ひな段状で平地が一部あり、そこに資材や重機が置かれていました。多くの部分は山林と思われました。
固定資産税評価の納税通知書を見ると、土地全部に対して雑種地評価が行われています。
それも市街地のすぐ横ですので高い評価額となっています。

先生の事務所に行き、A先生に報告をしました。
「現場を見て来ました。山林が多いので、評価を下げることが出来ると思います。ただ、山林部分の状態が外部から見ただけでは分かりにくいので、所有者の方にお願いして中を見せて頂きたいのですが。」
そしてA先生と所有者の方と一緒に現場調査となりました。実際には山林部分が過半で、平地の部分に立ってみると急峻な地勢の土質は砂であり、安全上もこれ以上平地を増やすわけにはいかないと思われました。

現場調査からの帰り道、先生のベンツに乗せていただき、事務所運営について色々教えていただきながら、
「先生、今回は基本通達のやり方でいくより、鑑定額の方が低くなると思いますので、鑑定させて頂いても良いですか?」
「うん。そしたら頼むわ。」という話しになりました。

結局、固定資産税評価が山林部分まで雑種地として評価されていたことから、基本通達でのやり方で求めた評価額より二割くらい安く、鑑定額が出ました。

A先生は、「それじゃ固定資産税も下げてもらうか」と豪快に笑っておられました。
「その時はまた御相談下さい。」
ゴールデンウィークが過ぎたら決算処理で、地獄のように忙しくなると以前先生から伺っていたので、長居は無用とA先生の事務所から引き上げました。

 

あいきの相続業務

 

 

あいきの不動産鑑定 ご利用者様の声

 

 公認会計士・税理士 N様
先般、貴社には弊所のお客様の相談案件に関して評価が困難な土地の不動産鑑定意見書を作成して頂き大変お世話になりました。
実は、当該物件に関する評価依頼は、二度目(一度目は今般被相続人である兄の実弟が亡くなった時)でした。
まずもって不動産鑑定に関する費用は、相続人方にとって決して低いと言えるコストではないうえに、普段あまり不動産に携わっていないような一般の人達にとり不動産鑑定士に鑑定を依頼するという行為は、そもそも馴染みがないわけであります。
そのような状況において、二度に亘り相続人方が不動産鑑定意見書を取るという意思決定をなされたのは、やはりしっかりとした成果物を手にして納得されたからだと思っております。
そういった意味では、我々の本業を円滑に進めるうえでも貴社は心強い存在であり、引き続き良好なパートナーシップを継続できることを心より望んでおります。
~ 当社より ~
N先生いつもありがとうございます。
市街化区域内山林、再建築不可住宅地等大変な物件揃いでしたね。先生方の路線価評価段階で相当に評価額がこなれていると思いました。鑑定でそれ以上下がるか、現実の取引事例からどう価格の根拠を固めていくかに苦慮しました。
今回、相続人方の意見を統一していく会計士さん、税理士さんの苦労は大変なものだったと思います。
先生方の関与先様の問題解決にご協力できるよう今後も頑張ります。
会社役員 匿名希望様

会社の節税対策を講じたのですが、その一環として実務価格と簿価との乖離が大きい不動産を関連会社に売却し、売却損をだしました。その際に土田先生に不動産鑑定評価をお願いしました。この売買価格が適正価格か否かで税務署から否認されるのを避けたかったからです。
私の無茶な意向を聞いていただきながらも最終的には、何処に出しても間違いない価格に落ち着き、お墨付きを頂いた様な安心感を得ました!
仕事もプライベートもアグレッシブな土田先生!これからも頼りにしてますよ!!
~ 当社より ~
いつもお世話になっております。
ありがとうございます。不動産の世界は幅も奥も拡く、匿名希望者様には色々とご教示いただき感謝しています。今後ともよろしくお願い致します。
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